住宅の寿命を縮める原因は、腐朽菌の繁殖と、白蟻の食害の2点だといっても過言ではありません。この2つの対策が適切であれば住宅の耐久性を高めることができるわけです。腐朽菌の生育には栄養・酸素・適当な温度・適当な水分の4つの条件が必要です。どれか1つでも欠ければ、腐朽菌が生育しないため、木は腐りません。現実には最も対応しやすいのは水分の管理です。それさえキチンとすれば木は腐りません。「PM工法の家」で使用する構造用集成材は含水率が15%以下で、床下の換気を適切に行っているため腐朽菌の発生を防ぎます。木が本来の性能を発揮できずに、だんだん腐ってしまうのはその置かれた環境によるものなのです。適切に管理された状態では、木の耐久性は、寺社仏閣で使用されているように、数百年におよぶことが証明されています。
また、白蟻については日本では約18種類の白蟻が生息していますが、建物に害を与えるのは主にヤマトシロアリとイエシロアリの2種類です。ヤマトシロアリはほぼ日本全土に、イエシロアリは関東以西の温暖な地域に生息しています。ヤマトシロアリの生育条件は腐朽菌のそれとほぼ同様ですが、水分が管理された乾燥材でも白蟻の食害を受ける場合がありますので、対応策としては乾燥状態を保つことと、食害を受けにくい樹種の土台を使用し、適切な防蟻処理を行うことなどが必要です。イエシロアリの場合は乾燥した木材でも食べますので、こちらは防蟻処理を適切に行うしかありません。
「PM工法の家」では適切な防蟻処理を行うのはもちろん、土台には耐久性が高く白蟻の食害を受けにくい木材であるヒバ類や加圧処理材を使用し、柱などは乾燥した構造材を使用しております。乾燥状態を維持するために、床下は基礎パッキンまたは床下換気口による換気を行い※、空気がよどむのを防ぎます。また、外壁は壁体内に通気層を設ける構造として、壁の内部に湿気が溜まるのを防いでいます。これらの対策により白蟻の害を受けにくい構造となっています。

以上のように、腐朽菌の発生や白蟻の食害を防ぐため「PM工法の家」の耐久性は非常に高くなっており、性能表示の劣化の軽減では最高等級の等級3に対応可能です。等級3は、75年〜90年の耐久性があることの証明ですが、実際には優に100年を越える耐久性があると考えられます。
※床下の換気方法は設計仕様により異なる場合があります。